八ヶ岳サマーコンサート
- Takayoshi Wanami
- 2024年7月30日
- 読了時間: 3分
昨日は、私にとって最も大切なイベントの一つである「八ヶ岳サマーコンサート」が無事に終了しました。
あろうことか、私は先週末にコロナに感染してしまい、3日間ほど喉の激しい痛みに苦しんだ後は、倦怠感に悩まされました。
24日からリハーサルを予定していましたが、医者には26日までの隔離を言い渡されました。でも、メンバーの了解を得て、25日と26日は、およそ5時間から6時間のリハーサルを行いました。もちろんマスクを付け、休憩時間は私だけ別の部屋で食事を取る、といった少し寂しいリハーサルでしたが、それでも白熱した議論を戦わせるなどしながら、皆で曲を作り上げていきました。
幸い、病気は順調に回復し、金曜日には健康体が戻ったことを実感できるまでになりました。リハーサルの後は、先週キャンセルしてしまった生徒の補講もできて、まずは心残りのない状態でコンサートに向かいました。
普段は、このコンサートに続いて1週間のサマーコースを開くのですが、今年はすでにあちこちで述べた事情でサマーコースが8月末となったため、美寧子と私は27日の夜は甲府に宿泊し、昨日の朝長坂へ移動してリハーサルと本番、地元の方々との打ち上げもやって、最終列車で帰宅しました。サマーコース参加者にあまり聴いてもらえなかったこと、市民オペラの本番と重なってしまったなどの悪条件があって、お客様は少し減ってしまいましたが、それでも地元の方々は「これからもコンサートは続けましょう」と力強く言ってくださり、私は次への希望を胸に長坂を後にしました。
今回最も嬉しかったのは、室内楽、特にシューマンのピアノ五重奏曲で、共演者たちが熱のこもった素晴らしい音を響かせてくれたこと。皆エネルギー全開で弾いているのが伝わってきました。でも、その音は常に美しさを保って、決して楽器を押さえつけるような音にはなっていなかったこと、皆が開かれた心で、精一杯音楽を表現しようとしていることに、私は心からの幸せを感じたのです。「これが八ヶ岳で培ってきた歴史の姿なのだ」と満足が胸いっぱいに広がりました。
演奏中には時々弓の毛が切れることがあります。熱演して、つい力が入ると切れてしまうのですが、もちろんそういう弾き方も必要な時があります。でも、昨日の私は、本番の間に一度も弓の毛が切れることはありませんでした。肩の力が抜け、「自分が頑張らなければ」という気持ちよりも「皆と一緒に音を作る」という楽な気持ちで演奏に向かうことができたのです。これを可能にしてくれた素晴らしい共演者たち、林詩乃さん、田島高宏さん、山本大心君、そして土屋美寧子に改めて心からの「ブラボー」を送ります。
2年後、2026年は第40回の節目、そしてサマーコースを閉じる年になります。できるだけ多くの歴代参加者を招き、盛大なコンサートを催したいと考えています。熱のこもった響きを、どうぞご期待ください。
写真は、演奏直後のステージ裏で撮影したものです。皆さん、本当にありがとうございました。