7月6日の点譜連の総会とつどいは、久しぶりに多くの皆様に集まっていただけ、実り多い会となりました。ゲストのホルン奏者の坂田優咲さんは、明るい語り口で先輩格の澤村祐司さんとの対談を楽しんでいる様子でした。さまざまな葛藤に直面しながらも「諦めずにやり通す」という強い気持ちのこもったお話は、去年の菅田さんとはまた違った意味で、その人間的な魅力を強く印象付けました。この会の模様は、いずれ音声か動画でご紹介したいと考えています。
さて、今日は少し悲しかった出来事をご紹介します。
7月5日に、私は妻とともに都知事選挙の期日前投票に出かけました。いつも「点字で投票したい」と申し出ると、用紙の準備などかなり待たされることが多いので、時間の余裕を持って区役所の窓口を訪れました。
「点字投票で」と言うと、受付の女性は「点字ですか、代筆もできますよ」と言います。こんなことを言われたのは初めてだったので、ちょっとびっくりしながら「いえ、点字で」と繰り返すと、隣の女性が「代筆でもいいんですよ」みたいなことを言いました。
ここで、私はブチ切れてしまいました。受付の人に悪気はなかったと思いますが、私は自分が文字も書けない人間だと愚弄されたような感覚に襲われ、思わず「点字と言ってるじゃありませんか」と声を荒げてしまいました。
点字投票は、もう70年近く前から認められている投票の手段であり、私はこの点字投票の普及と理解を願いながら、ほぼ毎回選挙に出かけてきました。そうした人生まで否定されたような、本当に悲しい出来事でした。
点字は立派な文字です。目の代わりに指先を使って、私たちはその文字を読み、それを用いて勉強や仕事をし、趣味を楽しむのです。視覚障害者には文字が書けない、などとは決して思わないでいただきたいと、心から願うのです。